のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

私市植物園

マルバノキ(ユキノシタ目マンサク科マルバノキ属)

花が咲く。 葉は紅葉する。 え、花が咲くのと紅葉が同時!? 不思議な光景があった。 日当たりの良い岩地に生育する落葉性の低木 葉はハート型で、色とりどりに紅葉する。 柄のない暗赤色の花を2つ背中合わせにつける。 花はドクダミに似た匂いがする。 別…

地に眠ること

夏、大輪の花を咲かせた蓮は地に帰ろうとしていた。 暗い暗い地の底に帰ろうとしていた。 大空に精を放ち、精一杯に生き抜いたものたちは 屍のごとく横たわる。 一人、また一人と力尽き、横たわる。 暗い地の底から響く、力強い鼓動を聞きながら静かに横たわ…

早起きは三文の徳

初霜が降りた晴天の朝 紅葉の森は、光と森の妖精が踊りを舞っているようでした。 紅葉の時期 森の散歩は早朝に限ります。 朝の清々しい空気が木々の肢体を浮かび上がらせ、妖艶な姿に見惚れます。 美しい 虹色に輝く姿は本当に美しい。 ただただ、美しい。 …

子守唄

北国から初雪の便りが届き始めるころ、私市の里山は秋色の変化の時を迎える。 広葉の森は七色に輝く 360度の宇宙に囲まれたような不思議な感覚 くらくらと目眩がしてきた。 全身を大空に向かってせいっぱいに伸ばし、太陽の光を沢山受け取った木々達は 最…

天に向かって咲く彼岸花

今年も彼岸花が咲き始めた。 田んぼの畦一面に咲いている壮観な景色も好きですが、 私市植物園で、草原にすっと一輪だけ凛々しく天に向かって咲いている、 この株に出会ってからは、一輪挿しの姿にとても惹かれます。 今年は兄弟が少し増えたようで、すぐと…

季節の変わりめ

季節が変わる。 雲が変わる。 入道雲もこれで見納めか。 台風が次々とやってき始めるとこれから一気に季節は進む。 久しぶりの休日 夏の名残を感じるために、ゴザを持ち出しのんびりと昼寝した。 寝っ転がってゆっくりと目を閉じる。 ああ、気持ちがいい。 …

カシノナガキクイムシの展示を見て感じたこと

数年前から、交野の里山では立ち枯れの気が目立ち始めていた。 なんだろうと思っていたら、その原因は、カシノナガキクイムシだという。 ここまでは、知識として知っていたのです。 カシノナガキクイムシの絵も、私市植物園の立て看板に漫画を 描いてくれて…

クヌギの食堂

クヌギの樹液は昆虫たちにとっては、とても素敵なご馳走だ。 樹液沢山出ているクヌギの木の様子を見に行ってみると ノコギリクワガタ あ! いたいた。 大きなノコギリクワガタだ! やっぱりかっこいいな〜 お、こっちはコクワだな コクワガタ あ、あっちの枝…

夏休みの終わり

ギラギラと照りつける夏の日差し ジージーとなくセミの声 暑苦しくはあるけれど、セミの鳴き声がない夏って想像できない。 そしてセミといえば、セミの抜け殻を子供のころ沢山集めて遊んだ。 一番沢山あるのは、クマゼミとアブラゼミかな。 なぜか、いつも泥…

感じ考える事

うだるような昼間の空気が、森息吹で次第に冷やされた深夜二時過ぎ 闇の中でひっそりとこの世に生を受ける花がある。 花が日間前に開くのは明け方で、昼過ぎには閉じてしまうという。 一日目は、生を受けたことに感謝をし 二日目は、仲間の無事を感謝をし 三…

すべての始まり

天から水が降ってくる。 とうとうと降ってくる。 開き始めた清らかな花に天の水が降り注ぐ。 暗い泥沼の中から生まれ出る蓮の花 天の水に命吹きこまれ花開く。 小さな女の子の、赤くふくよかなそのほっぺたを思わせる 初々しいその蕾。 そっとやさしく包んで…

ヤマトタマムシ

真夏日となった青空に独特の飛翔の影がひとつ、一本の山桜の枯れ枝に舞い降りた。 キラキラと七色に光るその姿 とても素敵な色だね。 玉虫色という色がある。 それはまさに、タマムシの色 見る角度により様々に変化する不思議な色 多くの人を惹きつける、魔…

久しぶりの私市植物園にて

久しぶりに私市植物園に足を踏み入れた。 やはりここは心落ち着く場所。 ヒメコバンソウ 色とりどりの花はないけれど。 大阪市立大学の研究施設として、身近で、まもって行きたい命がここに集う。 蓮 時の流れを感じれる場所 半夏生 緑輝く今日、いつもは静…

野山の折り紙

冬の間じっと、頭を引っ込めていた草木たち。 春がくるといつも思う。 こんなに小さな枝先のつぼみから、 こんなにも素敵な形が折り畳まれている。 これはこの世で一番の折り紙細工だ。 小さな葉っぱ 素敵な花びら すべてこの小さな小さなつぼみの中に畳まれ…

お花見

一番桜が咲き始め、二番桜が目を覚まと一気に山全体が 桜色に染まり始める。 なぜだか分からないが、桜が咲き始めると心が騒ぐ。 体の中から心が騒ぐ。 新しい季節を待ちわびた心が騒ぐ。 それは日本が綿々と伝えてきたDNAなのか? 親から子へ、子からそのま…

マキゴケの胞子体

マキゴケが胞子体をつけてるよと 私市植物園のFacebookでお知らせがあった。 どこですか? と問い合わせをしてみると。 「場所は、植物園の一番奥 低地カシ型照葉樹林のSポイントの少し手前だよ」と 教えてくれたので会いに行ってみた。 ニョキニョキとした…

秋の思い出

変化の季節は美しい。 毎年毎年訪れる変化の時だけど、毎年違う景色があることに最近気がつくようになりました。 美しいけれど儚い出会いは一期一会 相手を思い、関心を持てば、いろんな姿が見えてくる。 それは恋心と同じこと。 森に恋し、草木を愛で感じる…

雨上がり

朝から降り続いていた雨が止んだ。 ゆっくりと天気が回復していく。 雲が流れていき次第に青空がのぞいてくると天から光が下りてくる。 光と雫が手をつなぎ、キラキラ、キラキラ輝き始める。 一筋の風が吹くいた。 空からぱらぱらと雫の星が降り注ぐ。 誰か…

百葉箱

昔はどこの小学校の片隅にもあった秘密の箱「百葉箱」 何のために使うのだろう。 不思議な白い箱「ひゃくようばこ」 この箱って、日本だけのものだと思っていたら、世界基準に合わせて作ってあるんだ。 世界中の小学校の片隅に、この不思議な白い箱があって…

立冬:山茶花始開

立冬を迎えるころ、山茶花の花が開き始め はらりはらはらと、花筵を敷き詰める。 ブーンと、大きな羽音が響き、見上げると大きな大きな スズメバチが、花から花へと忙しそうに飛び回る。 ほとんど花がなくなったこの季節 冬ごもりの巣を作り、貴重な蜜源とも…

なんか気になる「南蛮煙管」

なんて異国情緒漂う名前なんだろう。 遙か昔、遠く海の向こうからやって来た、青い目をした異人さん。 異人さんが加えていた煙管(キセル)の形に似ているからって、「思い草」ではなくて今では「南蛮煙管」に取って代わられてしまったけれど、どちらの名前…

思い草

「道の辺の 尾花が下の思い草 今さらさらに 何をか思はむ」 「万葉集」 寄草 作者未詳 思い草(南蛮煙管:ナンバンギセル) 万葉の昔から人は思いに悩み生きていたようだ。 思う心、それはうきうきするも、胸苦しくやるせない。 恋は人を純粋にもし、盲目に…

夏の空と秋の空

あれほど騒がしかった蝉の声の密度が減り 草むらから秋の虫の声が聞こえ始めた。 日によって行ったり来たり。 夏の空と秋の空 夏から秋に季節は進む。 油断しているとおいて行かれるよ。 久しぶりに立ち寄った私市植物園 夏の花の残り花が、名残惜しげに咲い…

夏休み

忙しい。忙しい。 まるで、時間泥棒に時を持って行かれているようだ。 そんな泥棒に時を持って行かれないようにと、思ってはいるのだけれど やっぱり忙しい。 小学生の夏休み 永遠にも思えるながーい、ながーい夏休み。 朝早起きしてラジオ体操のカードを首…

立秋「寒蟬鳴」

立秋「寒蟬鳴(ひぐらしなく)」 ふと気がつくと朝夕に窓から涼風が流れ込んでくる。 カナカナカナ、カナカナカナ 谷向こうの木立の中からヒグラシの声が聞こえた。 里でヒグラシの声やツクツクボウシの声が聞こえ始めると 夏の終わりももう直ぐそこまで来た…

はちす

雨上がりの蓮の花は素敵です。 空からこぼれてきた星粒がたくさんたくさんひろえるよ。 花の中を覗いてみると、花托(かたく)と呼ばれるでっかい変な形なものがある。 何なんだろう。 なんだろう。 なんだろう。 じーっと覗きこんで見てみると、なんだかよ…

輪廻

輪廻 「生命が無限に転生を繰り返すさま」 生あるもの いつか朽ち 命あるもの いつか死す 無理をせず、そのものの真実を知る 限界を知り、己のありようを悟る 転ろびつづけることで、助けられ 生きつづけることで、他者を助ける 繰り返し、繰り返し続いてく…

生き方

栴檀(センダン)が、体中から血を噴出していた。 その姿は、いたいたしいくもあり、美しくもある。 命あるもの、いつかは老い屍となる。 命あるもの、みな何か役割を授かりこの世に生を受けている。 役割に気付くものもいれば、気づかずに生を終えるものも…

季節のリズム

「夏至」 冬至とは逆に、一年でいちばん昼が長く、夜が短くなる時期。 自然のリズムに寄り添い暮らしていく気持ちを大切にしたい。 朝、4時頃には明るくなり、私のリズムも朝方に変わっていく。 人は太陽と共に身体のリズムが変わると思う。 ともすると、忙…

梅雨

「梅雨」 [ 梅が黄色く熟す頃に降る雨。 そんな季節を、いつの頃からか人は「梅雨」と呼んだ。 春一番のかぐわしい香りを運んで来てくれた梅園は、甘い熟した梅の香りに包まれていた。 梅の花は人の心を溶かし、気持ちを和らげる。 青梅で作った梅酒は、会話…