三嶺を望む峰へ向かう稜線までの道へと足をすすめる道は、かつて地面全体を笹が覆いつくし、早朝散歩は体がびっしょりと朝露に濡れるほどであったとのこと。
■人間のエゴ
ここ10年ほどで、風景は一変したそうです。
人々はそれを鹿被害と呼ぶ。しかし、長年この地を見てきた河童さんは、「そうではない」と断言されます。
人々に終われ、翻弄され、この地に逃げてきて生き延びてきた動物達。
いまなお、人間たちの様々な利害関係に翻弄され続けています。
畑からの持参した苺を、山の神様におすそわけ。
「特に鹿に食べてもらいたいなー」
木に無骨な網を貼るのでなく、鉄の玉で追いかけるのではなく、もっとできることがあるのではないか。
さらに豊かな森を互いに取り戻すため。もっと謙虚になる必要があるのではないかと、感じました。
■Mother Tree
河童さんご夫婦の、母なる木「Mather Tree」がこの森にいらっしゃるとのこと。
ヌル谷の最深部には、tochikoさんの母
カヤハゲに向かう経線の中程には、河童さんのお母さん
それぞれの母は、やさしく「また帰ってきたね」「おかえりなさい」と語りかけてくれるような気がします。
私も自分の通う森に、母を探してみよう。
■思い出される言葉
日本の神は八百万もいる。
天地のあらゆる場所に満ちている。
この世にあるもの、一木一草まで、すべからく神が宿っている。