こちらを見つめるどこか頼りげのない瞳。
女郎花の花に夢中の蝶たちを待ち構えている草むらのハンターは、そんな瞳の持ち主でした。
この場所に通い始めて半年。小さな植物園の中では、多くの営と様々な移り変わりを感じることができました。
暗い林の中では、ヤブミョウガの花が薄く差しこむ木漏れ日を浴びて光り、
ツチアケビはまるで、枝に火の粉が降り注ぎ、真っ赤な炎に包まれたような姿に変身していました。
そんな姿に出会えるのも、毎週のように通ってきたからだと思います。
アキノタムラソウが草原の風に揺れ
蝋細工のような可憐な花があちこちで出迎えてくれる。
水辺エリアでは、「因幡の白兎」の歌に出てくるガマの穂はまだ固く引き締まっていました。
リュウゼツランの花目もまだ固く閉じたままのようです。
そんなのどかな私市植物園。これからも毎週訪れて、時の流れを感じていきたいと思っています。