期待を胸に早朝の高知駅を出発。
物部村にさしかかる頃、不思議な形の山と出会う。
突然視界を、通り過ぎる鳥。
今日は何か不思議な体験ができそうな予感がする。
■鳥になれたら
自分の翼で大空を飛ぶことができたなら、どんなに素晴らしいことでしょう。
雄大な三嶺の山々を自由に飛び回り羽ばたくこと。
両の翼をいっぱいに広げ、大空を自由に飛び回るその姿に人々は憧れ、古来から神聖な生き物として
敬い、祈りあがめてきたことでしょう。
この山の生態系の頂点に立つ、孤高の存在。
互いに交差しあい。
引きつけあうように、一つのつがいが飛び回る。
「まだいたんだ。」
河童さんがぽつりとつぶやく。
■大空へ
目をつむり、集中する。
次第に、大地の重力から次第に解き放たれる。
ゆっくりと目を明けると、眼下に三嶺の山々が遥かかなたまで続いている。
少し大胆に、断崖絶壁すれすれに飛び込んでみると、すさまじいスピード感とスリルを味わうことができる。
ふわりと風をつかみ、上昇気流に乗って一気に高度を上げ、遙か下になった女神の鏡を覗きこむ。
クスっと、山が微笑みかけた気がした。
流れる雲と絡み合い。日の光とともに天に帰っていく。
三嶺の神、大空の神に乾杯!