太平洋側型と日本海型の気候がせめぎ合うこの地域には、芦生杉と呼ばれる杉がある。
日本海側の杉に属する、この杉は幹が下部から大枝に分かれるのが特徴とのこと。
枝が折れ曲がろうとも、必死で生きていくその姿は見るのもの心をとらえます。
あるものは、身を捩り叫び声を上げ。
あるのもは、すべてを受けとめようと身を投げ出す。
暴力的なちからは、必死に生きる者達に容赦なく試練を与える。
なぎ倒されても、不屈の精神で立ち上がる。
そんな人間になりたい。
■めぐる命
大きな巨人が倒れた跡には、新たな生命の物語のステージ。
小さな命が産声を揚げ、仲間と肩を組み会い手をつなぎ外敵から身を守っているようです。
森に宿に宿った命は、淘汰されながら天を目指してぐんぐんと伸びている。
最後に残った者が、ゆっくりと横たわり目を閉じ、新たな物語が紡がれる。
延々とこの物語が繰り返されることを願います。