楓の森を抜けると、瑞々しい谷間の道が広がっていました。
沢の流れる音が心地よく響き、足取りも軽くなります。
一滴の水滴が、プルン、キラリと触角のように光ります。
小さな命も大きな命もいまこの瞬間を一生懸命に生きている。
動くことの出来ない者たちは、卵が孵った場所が自分のお家。
お母さんのおなかに包まれるように顔を持ち上げる子供達や
お父さんにおんぶする子供達もいます。
突然目の前に視界がひらけました。
眩しい光に目が眩みます。
ここは、比良スキー場の跡地とのこと。
人間の破壊力の凄まじさに改めて驚かされます。
スキーは確かに楽しいのですが、この光景を見ると、考えさせられてしまいます。
森は、傷跡を隠すように、色とりどりの絨毯で覆い。
やがて白布団に包まれ眠りの季節に入ります。
比良山系。
私にとって魅力的な山になりそうです。