小寒「寒の入り」に入り、よりいっそう乾燥した空気は、枯れ残った草木を美しい姿に変身させてくれる。
冬の雑木林には、自然が作り出した天然のドライフラワーの展覧会が開催されている。
そっと展覧会のドアをあけ中に入ると、冬の光に照らされて小さな花火がはじけた。
耳を澄ますと、しゃんしゃんと軽やかな鈴の音が響いてきて、まるで森にオーケストラがやってきたようです。
高らかなトランペットの音が谷あいの森にこだまする。
ヤマイモの鈴がサラサラと風に揺れる。
鈴の中を覗いてみると、小さなタネが二つだけ縮こまるように残っている。
厳しい大海への旅に出かけた子は無事岸辺にたどり着いたのでしょうか。
そっと風の歌が聞こえてくる。