椿山が春の日差しを受けて椿でいっぱいになりました。
古くから日本人に愛されてきた椿。
茶の間に添えられた一輪は、気高い気品が漂い、茶の湯の世界にいざなってくれる大事な存在のような気がします。
人々を魅了してきた、日本古来からの植物は、日本人の美意識とともにその姿形を変え得ていくことになったようです。
椿の花言葉は、「理想の愛」「謙遜」だそうです。
もともとは藪椿のような控えめな椿に思いをめぐらしたのでしょう。
そして、赤と白では少し、意味合いも変えて読まれているよう。
■赤椿
「控えめな愛」「気取らない美しさ」
■白椿
「申し分のない愛らしさ」「理想的な愛情」「冷ややかな美しさ」
確かに、微妙な雰囲気をいいあ立ているようです。
そんな素敵な姿と花言葉をもった椿ですが、材は固く工芸品や日持ちの良い炭として利用され、種子は絞れば良質な椿の油が取れるなど、人々の生活から切っても切れない存在でもあったようですね。
江戸時代に入り、人々が平和になると盛んに品種改良が行われ、多くの品種が作られてようです。
まるで錦鯉のような斑入りの模様を持ったもの。
美しい桃色の花びらを手に入れたものもありますが、それは人間の欲望のままに奔走される悲しい歴史なのかもしれません。