里の桜の終わりと共に、人々のお祭り気分もひと段落する頃、里のおやまの木々が、一斉に目覚めます。
森全体が淡い色に包まれ、風に揺られ歌を歌う。
◆全体をみる
普段はまったく動きを感じることはない木々たちが刻々と成長を続ける。
昨日とは違う姿、違う色。
◆それぞれをみる
天から差し込む光を受けて光輝く早春だけの一瞬の顔。
すてきな色のシェードをまとった光が、森に春の明かりをともすと、枯れ葉色の森が一気に華やぐ。
小さな枝先から、様々な色が絵の具を絞り出すように生まれでてきて全体に広がっていきます。
素敵な素敵な時間が流れていく季節です。
◆小人になってみる
実りの秋に、産み落とされた小さな卵は、暖かな枯れ葉の布団に包まれて眠っていました。
とんとん。
もう春だよ。
出ておいで。
素敵な世界が待ってるよ。
森のお母さんやお父さんたちが、歌を歌い誘います。
春のそよ風に誘われて、小さな産声が聞こえ始める。
大きくなあれ。
大きくなあれ。
苦しいこともあるけれど、楽しいこともいっぱいあるよ。
空見上げて飛んでいこう。