しかし、なんという生命力なのだろう。
主幹は朽ち果て、生まれたひこばえもまた、風雪に倒された事だろう。
傷つけられ、なぎ倒された幹からまた、生まれ出る子供たち。。
こんこんと湧き出る、清らかな水は、まるで桂の体内から生まれ出てくる清い水。
水は恐ろしくもあり、また優しくもある。
この甘い水があって、この桂もまたここまで育ったのだろう。
たもとには、ひっそりとツチアケビの花が咲き始めていた。
秋には小金色に染まり、メイプルシロップの甘い香りが辺り一面を覆うと言う。
刻々とすぎていく時の流れの中を、ゆうゆうと生きていく和池の桂。
人間の時間とは別次元の時を過ごしているようだ。
但馬高原植物園にて