くろんどの森が泣いている。
未明から雨脚が強くなった台風18号。
目が覚めると、町のあちこちが大変なことになっていた。
天野川の護岸の一部が削られ道路が一部崩壊し、私市小学校の裏山の崖も崩落していた。
それでも、昼前には雨脚は弱くなり、次第に青空が広がってきた。
流れも落ち着いたようなので、睡蓮池までの道を覗いてみることにしました。
月の輪の滝は、二段の滝になり。
森に降り注いだ大量の水は、行き場お失い、あちこちに、新しい滝が現れている。
水は谷筋に集まり、谷沿いの登山道を駆け巡る。
えぐりとり、ただひたすらに轟々と音をたてて流れていき、あらゆるものを押し流す圧倒的な力。
じっとじっと耐え、やりすごし、生き残った者達の声が森にこだまする。
夏の終わりを告げる蝉の声。
足元にぽつんとひとつ、赤い実が秋を告げていた。