剣山からの帰り道。
ふと目についたお地蔵さん脇に、車を止めて、ヒュッテで握ってもらったおにぎりを、
ほおばっていると「遠くからきたんだね」と、おじさんが声をかけてきた。
このお地蔵さんは、わしが小さい頃からここにいらっしゃる。
昔は、この辺りにもたくさん子供がいて賑やかだったんだよ。
よくこの川で遊んだもんだ。
延縄(はえなわ)を川に一晩仕掛けておくと、ウナギや魚がたくさんとれたもんだ。
そこの潰れた平屋が、商店だった。
その奥の家には、テレビが唯一あって、みんなが集まって見たもんだ。
今は、剣山へと続くR438もここまでしかなく。
行商の人は、ここからは、荷を担いで売りに行ったもんだ。
ほら、その家の横が登り口だ。
おじさんは、遠くを見つめながらいつまでも、楽しそうに語ってくれた。
(*^_^*)