はるかな天空を流れる雲
手を伸ばしても届かない雲
いつも見上げているだけだけの雲
雲の中はどんな世界なんだろう。
さきほどまで、鶯が鳴き喜びに満ちあふれていた世界にいたのに
いつの間にか白の世界へと足を踏み入れていた。
乳白色の気体が体にまとわりついてくるとともに
すーっと音が遠のき、春の気配が遠ざかっていく。
ここは、雲の中
白い異の世界
頂へと続く道は遙か遠くにかすんで見える。
こっちへおいで、こっちへおいで。
白い異の世界の向こうから何かが呼びかけてくる。
あの声について行ってはだめだよ。
あれは、向こうの世界の声なんだ。
まっすぐにこの道を登るんだ。
決して振り返ってはいけないよ。
上を見て、一歩一歩慎重に歩を進めるんだ。
あの頂の向こうにまを目指して、ひたすらに進むんだ。
信念を持って、一歩一歩振り向かずに進むんだ。
きっと今まで見たこともない世界が広がってるよ。
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