啓蟄ー春の匂い
土の中で冬ごもりをしていた虫達が、早春の光を浴びて暖まった土を啓(ひら)き、這いだしてくる頃のこと。
啓蟄を迎えた週末。
ふらふらと匂いに誘われて、森の奥深くへと入っていくと、
急に桃源郷のような風景が目の前に現れた。
凍え縮こまっていた命を溶かす恵みの匂い。
大気ゆるみ、あちらこちらから、懐かしい匂いがあふれ出る。
様々な命が絡み合った不思議な匂いが互いに刺激しあい、
手をつなぎ、変化のうねりが始まる。
ああ、待ちこがれた春の匂い
むっとするような、それでいて何処か懐かしい匂い。
生き物達の気配も心なしか、多く感じる。
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