オウキンカメムシが越冬していると教えてもらった。
なんだ、その王様カメムシみたいな名前は。
いろいろ聞いてみると、南方系のカメムシで集団越冬で有名とのこと。
20年ほど前まで、このカメムシの集団越冬を確認しようとすると
足摺岬や潮岬のあたりまで、出向かないといけなかったが、近年だんだんと生息範囲が広がってきていて、この冬植物園でも越冬が確認しており、11月から定点観察をしているという。
ということは、11月からこの木のこの葉っぱにぶら下がっているということなんだ。
個体数は少しへったとのことで、足元を見るとバラバラしたいが確認できた。鳥などにやられたみたいです。
Wikiによると
アブラギリ(油桐)を食しており、江戸時代の虫譜にも記述があるとのこと。
アブラギリって何に使っていたのかと確認してみると、油紙を作る油に利用していたとのこと。
なるほど、油紙をつくる油をとる植物だったのだ。
たしか桜山の住みにシナアブラギリが植えられていて、丸っこい実がなっていた。でもあまり目立つ物でもないので、いつも素通りしていたが、あの木が、油紙の材料となり、昔は重要な生活物資で大切にされていたんだ。
■桜山の脇のシナアブラギリの実
しかし、近年はアブラギリの栽培が少なくなり、より大型の実で油がたくさん取れる、シナアブラギリに取って代わられてきたとのこと。
オウキンカメムシは近縁であるがシナアブラギリでは生育できないらしい。
■シナアブラギリの冬芽
初めてであった虫から、アブラギリに繋がり、油紙、そして人の生活につながる。
そして、人の生活でオウキンカメムシノ食べ物も増えたり減ったりする。
人と植物、昆虫、いろんなものが見えない糸でつながっている。