私市植物園は、別名「森の植物園」と呼ばれる。
それは、日本各地の木々を研究・保存目的で集めてた森であるから。
そして、鳥などが運んできたこの地で育つ見慣れた木々たちもそのまま大きくなっている不思議な空間。
門を踏み入れるとそこは、黄色い野原が広がっていた。
年に一度咲き誇る、黄色い絨毯。
日本在来のタンポポは春だけ咲き、来たりし者を迎える。
ヤブが刈り取られた崖のあちこちでは、シダが芽を伸ばし始めた。
古人は自然からインスピレーションを得て、伝統的な模様を編み出してきた。
森はインスピレーションを生む場所
次々命生まれる場所
この森では、種を持たぬものも命つなぎ花開く。
小さきものも、大きなもの。
人里の小さな不思議な植物園の森に、多くの命が生まれ始めていた。