人が山を離れ、街に降りて半世紀近くが立ったのだろうか。
つい最近までといっても、祖父の代、そう明治・大正辺りまでは
当たり前のように、人は山で暮らし、山に神を祀り、山自体を神として
崇めていた。
街に降り、人が多くひとところに集うようになった時代
人の密度は濃くなる一方だが、逆に人と人の付き合いは希薄に
なっていくような気がする。
濃密であればあるほど息苦しさを感じ
希薄になれば濃密さに憧れる
人とはおかしな生き物だ。
人は一人では生きていけない生き物なのか
見えないものにつながりを求める。
今も、昔も人の求める根本的なものは、変わっていないのかもしれない。
この山を訪れるとなんだかそんなことを考えてしまう。