のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

御在所山「ささやき声」

鳥居をくぐると空気が変わった。

一歩一歩階段をのぼるごとに、時を遡り過去へ過去へと登ります。

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歩を進めるごとにだんだんと、匂いがこくなり

すこしづつ、気持が和らぎ優しくなるのに気づく。

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はっけよーいのこった。

どこか遠くから、奉納相撲の声が聞こえる。

その昔、鳥居前の境内では、東と西の村からの力自慢が競い合ったという。

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目を閉じる。

耳を澄ます。

風を感じる。

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まっすぐの階段に一歩一歩足を出すことに集中する。

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顔をあげると、大勢の石仏がこちらに向かって笑いかけていた。

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ただいま。

帰ってきたよ。

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一体一体に手を合わせ。

こころを開き、小さな囁きに耳を澄ます。

ここはそんな場所。

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