森は紅色の着物の上から、白いベールで包まれていた。
季節の変わり目は、雨が多い
台風が一週間おきに近づき、雨を降らせて去って行く。
おや、キノコだ
なんだか、キノコに沢山会える予感がするね。
山間にすむ人々は、親から子へ、子から孫へと、いつ頃どのあたりにどんなキノコが映えていて、食べられるキノコなのか、危険なキノコなのかを伝えてきたと聞く。
若い頃、東北の下北半島を旅したときに、風に吹かれて難儀していたところ、泊めてもらったお宅で頂いた、きのこ汁の味は30年経った今でも忘れられない味でした。
あれは、おいしかったなー。
人は、味覚や匂いなどと記憶をつなぎ合わせる不思議な力を持っている。
幸せを思い出すために。
時には、苦しさを思い出すために。
でも、苦しいことは、あまり思い出せず、
なぜか、楽しいことを思い出すことの方が多いな。
たぶん人って、基本的にそういう風に出来ているのかもしれない。
(私だけかもしれないけれど。。。)
そんなことを思いながら、登る山はまた楽しい。