のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

霧に煙る青山高原「奥山愛宕神社」

伊賀地方に所用があり、台風あとの梅雨前線が活発になり始める中、早朝に出発
し、青山高原を散策しました。
青山高原には、全国でも有数の風力発電の地に成っているそう。
このように間近で風力発電を見上げる初めての体験。
色々な自然エネルギーの活用が急にもてはやされていますが、少なからず、自然に対してインパクトがあるのでしょうね。

沢山の雨水を吸込み活き活きとしたコケが見送ってくれる中、三角点から奥山愛宕神社へ霧の道へゆっくりと足を踏み入れていきます。

鬱蒼とした、霧に煙る杉木立。人一人いない、早朝の森が迎えてくれました。


ウツギの花の舞い降りる尾根道と霧の木立の中

しとしとと降り続く雨を堪能していると、いきなり小鳥のさえずりがします。
はっとして見ると、ブナの原生林が斜面に広がっています。

そこには、目に見えないバリアが離れているようで、小鳥は人工林側にはやって来ません。そのことを今更ながら自覚してしばし呆然。

このブナ林は、非常に低地(海抜640m)にある珍しいもの。
秋の実りまで、卵を残すことは、自然界の中では非常に難しいこと。
昨日の台風で、ブナの実が沢山落ちていました。

厳しい競争を生き抜いてきた森であるから、多くの命を抱擁してくれる、懐の深い森となるのでしょう。

そんな森に、江戸時代から「病気平癒」の神として信仰を集める奥山愛宕神社が、姿を表しました。

ブナの森の沢の急斜面の一角に、社は立てられています。
先人はどの様な事を思い、この地に神を祭ったのでしょうね。

合掌