のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

五倍子(ぶし)

■ヌルデミミフシ
植物にアブラムシなどがつくと、植物自体が自分を守るためか、虫がついた部分の細胞が異常になりコブを作る、虫こぶという現象がある。
その中でも、ウルシの仲間の「ヌルデ」の虫こぶには、タンニンと呼ばれる物質が多く含まれることを、古人は知っていた。

このタンニンという物質は、動物の革を柔らかくする作用があり、皮を鞣す(なめす)のに使われる重要な物質です。
そして、ヌメ革の独特の風合いの色はタンニンによる着色の色。
秋になり、中の幼虫が成虫になってこぶを破って出てくる直前にこぶを熱湯につけ、後乾燥させたものからタンニン酸を抽出するとのこと。

また、五倍子(ぶし)は生薬になったり、染料にも使われ、空五倍子(うつふし)色やお歯黒、インクの原料にもなっている。

このアブラムシと、ヌルデが作り出す虫こぶと言う現象。
そしてその中に含まれる様々な効用をよく人は見つけたものだ。