のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

あこがれ

見上げると、大きな大きな空が広がっていた。
ぼくもいつかあの空に飛び立ちたい。
水の中で過ごしてきたヤゴはいつも思っていました。

すこしでも、空に近づきたい。
あの空を飛んでみたい。
ある朝、そばにあった水草の枝をつたって少しだけ空に近づきました。
しばらくすると、なぜかからだむずむずしてきて、足が動かなくなり、体も動かなくなり、次第に気が遠くなってきました。

気が遠くなるような時間がたった気がしました。
気がつくと、体が軽くなり、大空に飛び出していた。
夢を見ているのではないでしょうか。
夢にまで見ていた風景。

おーい。
小さな君。
ぼくは、どうなっちゃったんだろう。

君は、変身出来たんだよ。
僕たちは、みんな池の中にすんでいるときに、空に飛び出したいと思ってたんだ。
そして時がくると、旅立ちの準備ができて、変身するんだよ。
ほらみてごらん。

昔の君はあそこにいるよ。
僕たちは変わったんだ。
もう戻りたくても、水の中には戻れない。
旅立ちは、突然みんなにやってくるんだ。

さあ、あなたも準備はいいかい?
生まれ変わる日は明日かもしれないよ。