のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

東熊遊山「山眠るとき」


■山眠る
平地では梅もほころび始めた「春立つ」頃
山はまだ深い眠りについていた。

より深く、山と近づきたければ
より深く、森と友達になりたければ
より深く、自然を感じたければ
神々の懐に包まれて眠りにつこう。

目を閉じると、風の音が山の声を運んでくる。
「深い眠りを邪魔するな。」
「まだだ、まだだ。」

■静かな時
私たちに眠りが大切なように、山や森にも眠りが必要なのです。
人は、日と共に目覚め、月と共に眠る。
森は、雪と共に眠りにつき、雪解けと共に目覚める。
お互いの時の流れは違えども、静かな眠りを大切にしたい。

■寝顔
山と森の寝顔は、とても美しい。
これは、人の声届かぬ冬山奥深く分け入ってこそ気が付くのではないかと思う。
山は、大勢の子供たちを養うために、もう少し眠る寝かせてくれと言っていた。