山には天狗が住んでいる。
ときどき悪さをして人を道に迷わせる。
一人で山に入ってはだめだよ。
天狗に出会うとかえってこれなくなるよ。
人は山を恐れ、敬い、崇めていた、少し時をさかのぼったころのこと。
かつて、どこの山にも何かが住んでいた。
姿形は見えないが、そこに何かが潜んでいる気配を誰もが感じていた。
今は、町に人が溢れ、天狗の力が弱くなり、気配を感じることが
弱くなっているのか。
いや、そうではなくて、人が気配に鈍感になっているのだろう。
山に入るときは、天狗の気配に気をつけよう。
迷い、迷わされることのないように。
2015.5.6 Iさんと