雨上がりの朝、窓をあけると深い霧が立ち込めていた。
山から里へ
北から南へ
季節はゆっくりと深まるころ、向こう岸への扉が開くことがある。
それは数年に一度、こちらの岸と、あちらの岸の時間が合わさる時。
向こう岸の声を聞くには、霧が晴れないうちにこの橋を渡る必要がある。
渡れるか。
いや、渡っていいのか。
足が前に出ない。
まだその時ではないようだ。
たくさんの物事を見て。
聞いて。
確かめて。
感じて。
想って。
初めてこの橋を渡ることができるのだろう。
向こう岸はどんな世界なのかな。
いつか見てみたい。
2015.11.3 府民の森「ほしだ園地」星のブランコ
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