夕闇が近づく西熊山頂
「ぴーよー」
カンカケ谷に切ない声が響き渡る。
奥物部は今、すみかを失った鹿達が集まり、森の許容を超えてしまっているようです。
20年前の森は、背丈ほどの笹で覆われていたという。
所々に残された黒い残骸が痛々しい。
でもこれが今の森の姿。
森の変化は何十年単位で変化する。
今だけの一瞬を見てもその姿はわからない。
日本列島は隆起の国
隆起と崩壊を繰り返すからこそ、四季があり、多様性が生まれてる。
隆起が止まってしまうと、山削られ、雲生まれなく。
雨がやみ、乾燥し、四季が途絶える。
この美しい景色が延々と繰り返されているのは、まさに神様の贈り物。
この地に生まれたことを感謝し、人はつい最近まで大切に暮らしてきた。
今、山から人の匂いが消え、景色は変わり始めている。
山・森を歩くことは、変化を楽しむこと。
景色や風とともに、時の流れを感じること。
そんな思いを馳せながら、一歩一歩足を踏み出す。
そんな歩き方が好きだ。