高野山から山々を越えて十津川の村までくると、熊野本宮大社への道は残りわずか。
十津川にかかる赤い橋を渡り、果無峠に向かう道を踏み出す。
鬱蒼とした杉林の中、古道の道を一歩一歩踏みしめる度に、時を遡るような気がする。
急に林が開け数件の集落が目の前に現れた。
最後の難所「果無峠」へ向かう入り口に果無集落だ。
険しい果無の山中に生きる人
あまりに厳しい山中でのこと、この地方の人々は長年年貢を免除されてきたという。
なんでこのような困難な地で不思議に思うほどの場所に田がある。
山水をたくみに引き込み米を育てる。
今、世界中からこの地を目指す旅人を魅了する風景は小さな人の一つ一つの積み重ねで生まれたもの。
人間ってすごいなとつくづく思う。