大丈夫だとは言うけれど、ひと目だけでも顔を見て安心したいと、いまなお半分陸の孤島と化している呉に向かう。
広島同僚に聞いても、今、呉に行くにはとてつもない時間と労力がかかるよという。
交通手段も復旧に合わせて日々変わっていっているようで、昨日までの情報がすぐに古くなる。
相談した結果、一番安定していて、精神的に安心できるフェリーで帰ることにした。
そう、瀬戸内海地方は海があるんです。
小さい頃、毎日出かけていった穏やかな瀬戸内の海です。
小一時間の海の旅
優しい潮風が頬を撫でる。
幾筋ものの土砂崩れのあとが生々しい。
右を見ても左を見ても、あっちの島も、こっちの島もまるで、砂場に水を流し込んだように、幾筋もの傷跡が残る。
大丈夫かな。
こんな気持で帰省するのは初めてです。
見慣れた呉の街が見えてきた。