こんなにも桜の花があったのか。
山のあちこちで、ぼんぼりの灯がともったかのように、春の朝日に照らされて、山が輝きだす。
日本は桜の国
町中の華やかな桜もよいけれど、山の中に点々と灯る、ぼんぼりのような山桜が好き。
獅子窟寺裏の谷沿いの、大きな山桜の木に挨拶に行ってみよう。
遠くから見ると、華やかな山桜だけれども、山の中に入ってしまうと、空の上で花弁が散るばかりでなかなか、その姿に気が付かない。
ここの桜は、深く切れ込んだ谷に突き出し、急峻の崖沿いの道に上がると、森の梢あたりからちょうど枝先を眺めることができる。
数年前の台風にも耐え、生き残ってくれた大櫻
訪れるものもなく、ひっそりと咲く
はるか昔、この谷で修業した修験道の賢者たちもこの姿を見上げたのかもしれない。
紅色の葉と同時に花を出す、山桜
その独特の姿に魅了される。