祖父はオートバイが好きだった。
几帳面な性格で、オートバイはいつもお日様照らされ輝いていた。
大きくなり、あちこち放浪の旅がしたくなったとき、オートバイが相棒となった。
どこまでもどこまでも行ける気がした。
壁に貼った日本地図を眺めながら、次はどこ行こうかなと思いを巡らせ
休みのたびに日本中を駆け回った。
子供たちが巣立ち落ち着いたら、またオードバイにまたがり、旅がしたいなと想いを暖めて、こつこつと貯金をし、転勤の住処もオートバイが置けるところを前提に探した。
そして、紅葉の頼りが聞かれる頃、赤色のオートバイがやってきた。
広大な大地のオーストラリアで配達を行う郵便屋さんの足として採用されていたり、
羊の群れを追うために生まれ、牧場で重宝されたりしているという。
私の使い方にぴったりなオートバイ。
名前は、ハンターカブ(CT125)という。
たぶん、生涯の付き合いになるであろう、新たな相棒。
大切にじっくりと付き合っていきたい。