のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

霊仙山「山の匂いが変わる時」

昼間は登山客でにぎわったであろう人気の山域も、登山口で準備をしているときにすれ違ったグループで最後だったようで、山には静寂が戻ろうとしていた。

f:id:noronoyama:20210425204607j:plain

f:id:noronoyama:20210425190559j:plain

太陽が次第に西に沈み、空気が冷えてくると、森の気配が変わる。

山で暮らす者たちの気配が濃厚になる。

f:id:noronoyama:20210425204817j:plain

今からは、俺たちの世界なんだぞ。
お前は誰だ、邪魔するな。
そんな声が聞こえたような気がする。

f:id:noronoyama:20210425205215j:plain

f:id:noronoyama:20210425204807j:plain

霊仙の山陰から十三夜の月が上がった。

森の中で楽しむか、大地に出て月夜を楽しむか。

そうだ、ここは琵琶湖を西の望む山。

今、東から月が上がってきたということは、琵琶湖に沈む月が見えるかもしれない。

上まであがてみることにしよう。

f:id:noronoyama:20210425204700j:plain

日が西に傾き、太陽の周りから絵の具が湖に染まるように、空の色が少しづつ変わってくる。

f:id:noronoyama:20210425190637j:plain

f:id:noronoyama:20210425190630j:plain

母なる琵琶の湖に日が沈む。

ゆっくり、ゆっくりと時が流れる。

そろそろ、今夜の寝床を決めよう。

f:id:noronoyama:20210425204851j:plain