単身赴任先の名古屋から、大阪へと向かう道は、鈴鹿山脈を貫く道を行く。
前回は新緑がまぶしかったが、木々は一気に緑一色にそまり、初夏の装い。
いつも、ただ帰るだけではつまらないので、つい横道にそれてしまいます。
今回は、永源寺湖でいつも通る対岸の古い道をたどることにした。
カブだと、スロットルと足だけで操作するロータリークラッチのおかげで、本当に気楽に止まることが出来る。
より歩く感覚に近く、カブに乗ったまま散策もお手の物。
気になった場所で止まっては眺め、降りてはしゃがみこみ。
少し歩いてみる。
触れると独特の匂いを発する「十字花」
この花の匂いはそても懐かしい祖母の記憶。
匂いと記憶はどこかでつながっているのだなと、不思議に思う。
田植えの季節、ホタルが舞い始めた季節に合わせて、ホタルブクロが咲き始めていた。
ほんのりと明るく光るさまを一度見てみたい。
早春の頃、小さな花を咲かせていた野イチゴが収穫の時期を迎えている。
小さなツブツブの触感とともに、ほんのり甘い自然の味覚
小鳥たちに先立って失敬して、一粒頂いた。
橋の下を覗き込むと、大きな朴の木の花が、終わりに近づいていた。
いつもは下から眺める朴ノ木の花、上から眺めると、大きく開いたよく目立つ。
今の季節、まばらに白く目立つはっぱは、猫が大好きなマタタビノ葉っぱ。
もう少しすると、葉は緑に戻る。
葉っぱの下を覗き込むと、小さな実がついていた。
葉っぱが白く変化するのは、小さな実を実らせるため、虫を誘うためとの説もあるとのことらしい。
初夏の訪れもまじかに感じる満開の白い花。
はらり、はらりと小雪が散るように、エゴの花が落花していた。
よく見ると、小さな花バチが花から花へと忙しそうに飛び交っていて、ちょっとした重みで落ちていくようだ。