行く道は、あちこちに春の花が咲いて私の興味を引き付ける。
鳥が鳴くと、小型の単眼鏡で覗いてみる。
谷あいの沢の音、吹き上がる風
すべてが春を喜んでいる。
冬、大量に降り積もった雪は天然のダムとなり流れ下る。
太陽に温められ、次第に水温を上げていき、里の田畑を潤す。
うまいこと出来ているな。
実際に目で見て、感じることが面白い。
苔むしたう薄暗い森から、だんだんと空が開けてきた感じに、空に近づくにつれ、森の様子が段々と変化してくる。
一服していくか。
祈りの鐘を鳴らし、一休みする。
傍らには、今年は会えないなと思っていた石楠花が、谷沿いに咲いていた。