松本で大糸線に乗り換え、黒部立山アルペンルート長野県側の起点となる「信濃大町」で途中下車した。
時間はお昼、駅でソバを食べ、今日の宿を予約し荷物をデポ。
ちょうど駅前にレンタサイクルがあったので周辺を散策することにした。
借りたのは電動アシスト付き自転車
こりゃラクチンだ。
田んぼの中をガタガタと進み、仁科三湖の中で最大の湖である青木湖を目指した。
青木湖の周りはぐるりと一周できるようになっている。
東側は国道148号線、西側は塩の道と使われた古道「千石街道」でところどころに祖茂面影が残る。
ここも、30年ほど前に訪れたな。
あの時もバイクでぐるっと一周したっけ。
湖の東側に城跡があり、分け入ってみると古い神社が現れ、境内に「ウツボグサ」が咲いていた。
ウツボグサは「夏枯草」とも呼ばれ、夏の頃から穂が枯れ始めることによるというと、
以前調べたときに図鑑に書いてあったので気になっていた花です。
本当だ、もう枯れ始めている。
この枯れ始めた穂を乾かしに出すことで、漢方にも利用されているという。
人の気配のない境内は、きれいに清掃されており、いまも大切に村人に守られている。
十薬も花盛りで、あたかも薬草の畑のような境内でした。
気持ちのいい場所だ。
ガサゴソ
しばらくいくと、林の中から音がする。
ヤギが驚いたようにこちらを眺めていた。
父方の家の近所にも、ヤギ小屋がまだあったな。
昔は、村の家々でヤギを飼っていて、私の母の古い写真にはヤギと一緒に写っている写真を見たことがある。
つい最近まで人は牛やヤギなどの動物たちと一緒に暮らして、その恩恵を受けていた。
乳を頂き、その力を貸してもらい農作業を行っていた。
機械化の波とともに、仲間たちは去っていった。
今思うと、身近な仲間との付き合いを通して自然として身についていた、何か大切なものも同時に去っていったのかもしれない。
あの頃から考えると、いまの世の中は想像もできなかったものがあふれている。
でも、あのころと変わらぬものも沢山まだある。
流れとともに形は変わる。
変わるものを大切にし、変わったことを覚えていて、その根っこにあるものを忘れないことも大切かなと思った。