雨の日でないと出会えない瞬間がある。
普段は純白の花弁を纏うサンカヨウは雨水を受け止め透明の衣へと変化していく。
そんな瞬間に出会うことが出来た。
先日訪れた御嶽山でその独特のとげとげの葉が気になって調べて
透明に変化するというサンカヨウというこの植物のことを知った。
美しいものは壊れやすいのか、純白で透明な衣は儚く、はらりはらりと散っていく。
その姿に、時間を忘れて見入ってしまう。
葉に落ちる、静かな雨音が心地よい。
花の中心をよく見てみると、おなかが膨らみ始め、ちゃんと子孫を残す準備が出来ているようだ。
親から子へと命はつながれていくひと時のこと。
こんな姿に出会えるから、野山を歩くのはとても楽しい。