田子の浦湾から見上げる富士山はいつ見ても大きい。
日本海側の仕事を終え、翌日は太平洋側へと一気に移動した翌日、天気予報では梅雨明けが告げられていた。
そういえば、先週富士山の山開きがされたといわれていたな。
今まで、富士山は草木もないし、人ばかりで見上げる山だと思っていたけれど、コロナ禍の今なら、人の少ない富士山を楽しめるかもしれないと思い立った。
朝一番の電車に乗り富士宮まで移動して、太平洋側の富士宮口五合目までバスで移動して歩き始める。
5合目の標高は2400m、ちょうど森林限界の辺りで、低木がちらほらとみられるが、それもしばらくすると、あたりはまばらに生える草地と溶岩の砂の大地となる。
右手に見えるのが宝永火口か。
上手くいけば、御殿場ルートを下り宝永火口を横切ってこちら側に戻ってくることにしようと算段をする。
時々、砂礫の中から子育て中なのか、雲雀が宙に向かって飛び立っち楽しませてくれる。
この砂礫の中の厳しい環境でも、そこを住処とするたくましい生き物たちがいる。
風に乗って、様々な生き物が少しづつ生息域を広げていき、それらがつながって環境は変化していく。
かつて、溶岩で覆われていた見下ろす台地は、そうやって少しづつ変化してきたんだろうな。
眼下には、春に訪れた愛鷹山が見えていた。
人間ってちっちゃいな。