白山は 御前峰を最高峰とした白山3峰に加え、別山・三ノ峰を加え白山5峰という。
今回歩く道は、今の地図上では南縦走路と書かれているが、古来より祈りのとして多くの人が登ったという。
山小屋に、御師活動(おし)に使われた、古地図が張ってあった。
その昔、白山信仰を広め、登山者の宿泊や登山案内を請け負う広報活動のために作られた絵図には、銚子ヶ峰から一・二・三と続く峰々に続き、南龍馬場、そして御前峰からはるか美濃禅定道までが描かれていた。
さあ、どこをさまようか。
地図と天気と、体調を見極めながら進んでいくことにしよう。
かつて人は山を信仰の対象として崇めてきた。
それぞれの山の名を頂いた神社が各地に残り、日ごろから信仰の対象であった名残が今なお色濃く残る。
森の木々に生を感じ、天高くそびえる山頂に神を見る。
今よりずっと死が身近にあった世界、人は何かに頼りたかったのかもしれない。
このヤドリギのように、神にすがって生きてきたのかもしれない。
コロナ禍の今、ともすればギスギスした感情が噴き出してしまいがちで、お互いに傷つけあったりする場面も往々にして感じられる。
こうゆうときこそ、ゆったりとした心を保ち、相手を感じる心が大切だと思う。
山に入る時間は、そんなことを思い起こさせてくれる大切な時間でもあるのかもしれない。
命あるものはみな心を持ちあう者どうし。
ちょっとした気遣いをもって、心暖かく見守るだけでもだいぶ違うのではないか。
そんな心を持ちたいと思う。