見上げる雲の上に人知れず咲き誇る花畑があるのをどれだけの人が知っているのだろうか。
短い夏。競い合うように一気に咲き乱れる天上の花畑は様々な手段を用いて、訪れるものの気を引こうとする。
色。匂い。大きさ。形。
一つ一つの花を眺めたり、匂いを嗅いだりとのんびりと歩き、お気に入りの場所があればしばし佇むことを繰り返す。
急いではもったいない。
ゆっくり、ゆっくり。
同じ山域でも、植物がこの部場所というか、生きられる場所が違うのだろう。
風や積雪、日当たり、水の状態などうまく生きられそうな場所は貴重な場所だからか、厳しい場所だからこそ、生きられる場所に群落を作るのかもしれない。
ねえ、カエル君。