下から見上げた男滝の左側を巻いて、一気に滝の上部に出る。
さあ、次はどんな風景が現れるのか。
ワクワクしながら前に前にと足を踏み出す。
そこは光の国だった。
水が作った深い谷に覆われ、遅れてていた朝日が差し込み始めた。
美しい。
光は人を引き付ける強い魅力がある。
滝のしぶきが谷いっぱいに広がり、光とまじりあい、絡み合っている。
滝の音、沢の音、水の音
鳥の声、木々の騒めき
光の声
一日の始まりを森全体が喜んでいた。
この場所に一緒にいられるという幸せ
足を止め、時が流れるのに身を任せしばらくこの光景を心行くまで味わうことにした。
急ぐ必要はない。