のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

火口の底「四の池」

 なだらかに登った継子岳山頂を通過し、継子岳火口へと下る道は見た目よりも急斜面だった。
舞い降りるように、火口へと下っていくようでなかなか気持ちがいい。

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火口へと降りてみると、そこには沢があり、湿原が広がっていた。
なんという不思議なところなんだ。

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山上でとうとうと生み出される圧倒的な水の量
これは、ここに足を踏み入れたものしか分からないですね。
後から来た方が、つぶやいた。

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通り過ぎるにはあまりにもったいない場所だ。
ここで、少しくつろいでいこう。

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お湯を沸かして、コーヒーを一杯頂いていると、見たことがない蝶が空から舞い降りてきた。

「キベリタテハ」だ。
Wikiによると、「。日本では中部地方の高山から福島県以北にかけての冷涼な地域に分布し、成虫は林道や湿地などに現れ、小刻みに羽ばたいて機敏に飛ぶ。花に来ることはなく、もっぱら樹液や腐った果実、獣糞などに訪れて汁を吸う。吸水時などは翅を広げて止まることが多い」とある。
まったくその通りだ。
こうやってひとつづつ、出会いが増えて聞き楽しみが増える。

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木曽側から雲がせり出してくる。
見えない壁があるように、雲は稜線から先にはせり出すことが出来ない。
延びる道がちょうど境界線のようだ。

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名残惜しいが、ぼつぼつ行くとするか。
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スーッと冷涼な風が湿原より吹き上げてくる場所
歩いてきた道ではすでに散っていたミヤマダイコンソウの花が咲いていた。
この場所だけタイムスリップしたみたいだ。
空気の流れは時の流れも変えてしまう。

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6月に訪れたときには、トラゴンアイをたたえていた二の池は夏の色に衣替えしていた。
あちら側を回るのはまた今度にしよう。
次はいつ来ようかな。
どの道を歩こうかな。

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