人は自然界の様々な万物から色を取り出し、調合することを知ったのはいつの事なのか。
植物から抽出した体液に糸を浸して染め上げ、焙煎という化学反応が生まれることを発見し。
千差万別に色を生み出す。
それは神の領域に足を踏み入れることと等しいのではないか。
偶然と必然
足し算、引き算
掛け算、割り算
日本の伝統色の色見本で様々な色の名前があることを知ったが、その色がどのように生み出されてきたのかまではなかなか思い浮かばなかったが、その一端に出会うことが出来ました。
興味は尽きません。
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◆タデアイ
にっぽんで古くから藍染めに使われてきた植物の一つ。
葉から製した蒅(すくも)を甕(かめ)に入れて発酵させ、濃淡さまざまな青色を染めることが出来る。夏の葉を刈り取って染める生葉染め(絹のみ
は、家庭でも手軽に楽しめる。
◆コブナグサ
原野に多い一年草で、茎は倒れた基部から立ちあがり、よく分枝する。下部の節から根を出す出す。9月~10月に花穂を出し、3~10個に分かれる。日本全土、またアジアアジア熱帯地方に分布する。
八丈島でおられる黄八丈の黄色を染める植物で、八丈カリヤスとも呼ばれ、アルミ媒染で黄色、鉄媒染でオリーブ色を染める。
◆ウコン
◆ワレモコウ
山地や草原に多い多年草。茎葉または根を細かく切り、黄色、黄茶色、紫鼠色に染まる。
身の回りのすべてのものが色につながる。
好きな色は何色ですか?
◆ウメ
古くから梅染、・赤梅・黒梅といわれ、染色に用いられてきた。冬季に切った木を保存しておく。細かくきざんだ幹材(かんざい)や太い枝を煮だし、赤樺色・鳶色・梅鼠を染める。
◆キハダ
原始時代から黄色を染めてきた。樹皮の黄色の内皮を煮だし、黄色・鶸色(ひわいろ)を染める。また、アルカリ水で煮だすと、黄味の緑色に染まる。
正倉院の染紙(せんし)の「比佐木紙(ひさきし)」に使われている。
黒染として重要な染料。葉を煮だし、黄茶色(きいちゃいろ)、紫黒色(しこくしょく)を染める。9~10月に葉を採集して、乾かして保存することもできる。
◆ヤマハンノキ
榛擦(はりずりや榛染(はりぞめ)に用いた榛は、ハンノキだけでなくヤマハンノキやヤシャブシの類も含まれる。樹皮・幹材・果実または9~10月の枝葉(しよう)を煮だし、樺色(かばいろ)や黒色(くろいろ)を染める
◆ミズナラ
古代の楢(なら)はミズナラ・コナラ・マラガシワなどを含めた名称である。樹皮または枝はを煮出し、茶色・黒色を染める。葉は9月ごろの緑葉(りょくよう)をとってすぐに用いる。
古代では木材の灰が紫草(むらさき)や茜草(あかね)の染によく用いられた。落花を集めて煮出し、桜色・椿鼡(つばきねず)を染めるが、果皮で黄茶色(きいちゃいろ)・薄鼡色(うすねずいろ)を染める。また幹材(かんざい)も利用できる。
◆ヤマハゼ
天皇の袍(ほう)の黄櫨染(こうろせん)を染めた染料。心材または紅葉を煮出し、黄茶色(きいちゃいろ)・黒色を染める緑葉(りょくよう)のうちは乳液が出てかぶれるので紅葉をとって保存する。
◆ヤマハギ
「万葉集」には萩の摺染(すりぞめ)を詠んだ歌がある。茎葉をきざんで煮出し、黄茶色・鶯色(うぐいすいろ)を染める。季節によって色合いに変化が出来る。
「万葉集」に出てくる柘(つみ)はヤマボウシのこととされていて、山桑(やまぐわ)ともいわれる。樹皮や9~10月ごろの枝葉を煮出し、黄茶色・黒茶色を染める。
樹皮は保存できる。
◆クワ
衣服令(いふくれい)の服色条(ふくしょくじょう)に桑(くわそめ)とある。幹材・根を細かく刻んで煮出し、黄色・黄茶色を染める。また緑葉を用いると鮮やかな黄色や鶯色に染まる
◆ハマナス
秋田八丈の鳶色(とびいろ)は、地下茎で染められている。地下茎を煮出し、鳶色から黒茶色を染める。また採ったらすぐの茎葉(けいよう)を煮出し、黄茶色・紫褐色(しかっしょく)を染める
◆チャノキ
茶染(ちゃぞめ)は平安時代にはじまり、江戸時代には煎茶を用いて染めている。烏龍茶や紅茶のほうがよく染まるが、緑茶の場合はアルカリ水で煮出すほうがよい。
◆ミツマタ
樹皮をわしの原料にするために栽培されることが多い・高さ1~2mで柄だが3つに分かれているのでこの名がある。緑葉を用いて黄色・裏葉色(うらはいろ)・鶯色(うぐいすいろ)を染める。若葉をアルカリ水で煮出して鶸色(ひわいろ)・薄青色(うすあおいろ)を染める。