天が灰色に染まり始め雲が沸き始めた。
天候が変化してきた。
10月に入っても暑い日が続いていたが、この天気の崩れとともに一気に冷え込むと予想され、山の秋は終盤に向かう。
お日様が隠れると、色とりどりだった森は急速に色を失っていった。
色とはお日様と受け止めるものがあり生まれ出るもの。
淡い色、暮れ行く季節、一つとして同じ色がないグレデーションに囲まれながらゆっくりと下っていく。
天然のステンドグラスみたいだな。
時折青空がのぞきまたそのたびに、色彩が変化する。
高度を下げるに従い色が濃くなっていく。
タイムマシンで過去から現在に戻っていくかのように
足元に目を向けると、小さな森の小人があちこちに顔を出す。
空に地に森は変化の時を迎えている。
小さな子供も、なんとか夏を越せたようだ。
こうやって、1年、2年と季節を乗り越え、大きな大きな大人になっていく。
いろんな色を奏でながら。
登山口まで下りてくると、ツリバナの実が風に揺れていた。
小秀山の登山口から下る最後の林道が結構好き。
暮れゆく森を感じながら、あっちにふらふら、こっちにきょろきょろ。
またこよう。