「西高東低の冬型の気圧配置となり風強く日本海側は雨が降り」
ラジオから流れる天気予報は冬の訪れを告げていた。
日が暮れ、満月の空を見上げながら夜明けを待つ。
気温はぐんぐん下がっていく。
霜降「高地から順々に霜が降り始める時期」
第五十二候「霜始降(しもはじめてふる」
凍り付いたテントの窓を開けると、一面は霜に覆われていた。
空気中の水分が冷やされた物体に触れることでできる氷の結晶
これから日一日を寒さが近づいてくる。
早かった日の出は6:00ごろ、日暮れも早くなり行動時間は少なくなってきた。
手早くテントをかたずけ登山口へと向かう。
登山口には、多くの車が止まっていた。
近くにある、刈込池を訪れた人たちのようです。
一度見せてやりたかったのよね。
足元がおぼつかない夫を支えながら先を目指していた。
夜のとばりが足早に開けていく。
暗闇から光の中へ
光の中から暗闇に
光と闇は平等に半分半分
行ったり来たりを繰り返す。
夜が明けた
湖面に三ノ池をたたえた、刈込池の夜が明けた。
湖面より静かに靄が上がる。
時の変わる時間は静かだ。
余韻の時間を楽しむ。
静かだな。