下り道
色を拾い集めながらゆっくりと下り始める。
秋の山は色集めが楽しい。
一粒、二粒と落穂ひろいのように丹念に拾い集める。
高度を下げていくと白から黄色へと色が変化していく。
木々が織りなす素朴な色が心に染み入り、記憶のノートに蓄積していく。
いろんな色がまじりあうと、きっと素敵な色となるに違いない。
そう信じて、ノートを開く。
ノートがいっぱいになると、新しいノートが欲しくなる。
つぎは何色のノートにしようかな。
小さなころ、新しいノートを使い始める時のワクワク感
何を書こうか、一ページ目の一文字目を書く時のちょっとした緊張感
一日一日、新しいノートを書くように、過ごしていきたい。