暦の地始凍(ちはじめてこおる)時期に、ちょうど今年の初氷に出会うことが出来た。
高原にできた小さな水たまりは、カエルなど小さな生き物たちとにぎやかな夏を過ごし
眠りにつこうとしていた。
これからゆっくりと、雪に覆われていく。
北側の斜面の霧氷はまだ少し残り、朝暘に輝いている。
空気はピリッと冷えているが、心地よくお日様が頬を温めてくれる。
山で一夜を明かした醍醐味は、ゆったりした時間を楽しめること。
この時間を経験するともう病みつきになってしまいます。
風が吹くとぱらぱらと音がして、氷の結晶が落ちていく。
ちょんとつつくと壊れてしまう脆い結晶
風上に向かって伸びていく不思議結晶
これだけ伸びるのにどれぐらいの時間でできるんだろう。
付いては消え、消えては付きを繰り返し
次第に大きくなっていく。
富士見台を過ぎ、少し下ると谷向こうに南沢山が見え始めた。
雪に埋もれる前の一瞬の時期
緑色と白色のコントラストが素敵な風景を期待したが、霧氷は解けてしまったようだ。
またおいでと言うことのようです。
遠くには、白い峰々が続いている。
高山は来年の雪解けまで、深い深い雪と氷の世界に入っていく。
美しくも厳しい環境にも、多くの生き物がきっと息づいているのだろう。
振り返ると、雲が流れ大きな恵那の山が顔を出した。
昨日助けていただいた、岐阜のSさんからは、山頂は雪でしたと言われていた。
いこういこうと思いながらまだ山頂へと訪れていない近くて遠い山
タイミングと気分次第の気ままな旅なのでいつになるかは分からないが、いつかあの峰にも行ってみよう。