山頂直下、真っ青な空が白い枝の先に広がっていた。
御池の山頂に向かわず分岐を左に折れ、ボタンブチを目指し白い森に入る。
御池岳山頂付近はテーブルランドと呼ばれ、広大なカルストの大地が山上に広がる場所
森を抜けた。
なんという景色だろう。
目の前には天空の大地が広がっていた。
彼方に伊勢湾が輝き、空いっぱいに大地が広がる。
夜、天空で吹き荒れていた強烈な風が作った造形に人の日差しが加わり天に広がり、この世とも思われない光景を作り上げていた。
思わず引き込まれそうになる。
一羽の鷹が空から舞い降りた。
冬の大地は穏やかで美しい一面を見せているが、その陰にそっと牙を隠しているので
よくよく注意が必要だ。
陰と陽は繰り返し反転し、生と死が隣り合わせ。
それを分かったうえでの行動が大切だと思っている。
今年も雪山での遭難のニュースが流れ始めた。
装備の問題、体調の問題、無謀な行動、運、タイミング
絶対はないけれど、安全で快適な山歩きが出来ればと思っている。
きちんと装備を整えて、天候を見定め、準備をして場所を選ぶ。
無理をしない。
難しければ引き返す。
その先には、素晴らしい体験が待っている。
飛び出してみないと出会えない景色が待っている。
欲張りかもしれないけれど、この光景を、この清々しさを体験しないのはもったいない。
雪が深くなったらまた来てみようと思う。
静かな空の大地を楽しみに。