御嶽を見上げる開田の村では、村人が集まり草刈りや無人販売所の手直しなど
共同作業を行われていた。
ひとりひとりの力はちいさく、出来ることは限られるけれど
ふたり、さんにん、よにん と増えると倍々に出来ることが増えてくる。
木を切り倒し、岩をどけ、道を開き、橋を架け
自分の代では出来ないことも、
子供へ、孫へと子孫へと集まれば成し遂げてくれると信じ
人から人へ、見えない力を集めて今がある。
この景色を大切にしたい。
木曽路の谷の向こうに日が隠れ始めた。
天気もよさそうだし、
暗闇の中を走るよりも、河原の近くの空き地で野宿して
早朝の空気を浴びながら走ることにしよう。
ごとごとと対岸を、終電の汽車が通り過ぎ
夜はゆっくりと更けていく。
沢の音が心地よい。
思うと、若いころと同じことやってるな。
好きなことは、いくつになっても好きなんだな。
あちこち出かけて、その土地を感じて暮らしを思い、昔を感じる
気ままに寝て、起きて
元気をもらう
日本中を巡るそんな旅をした若いころ
今、もう一度そんな旅を始めている。