五ノ池小屋が見えてきた。
最後の斜面をトラバースする。
稜線に出ると、はるかに雲海がどこまでも続いていた。
どこまでも続く雲の海
まさに、海そのものだ。
台風がおいていった湿った空気の置き土産
海の向こうに浮かぶ島は、白山だろう。
大海にゆっくりと日が沈み、ほんのりと染まっていく
うっとりするほど美しい。
あの大海原に船を浮かべ、漕ぎ出していけそうだ。
日は西の空に沈み、ゆっくりと夜のとばりが降り、急激に気温が下がり始める。
お日様の力っは本当にすごい。
人はともすれば、何でも思い通りにできるととんでもない勘違いをするが
圧倒的な自然の力にはなすすべがない。
ただ、そっと身を任せ寄り添うい受け流していくのが一番良いのではないか。
寄り添えば味方になり、力になってくれるものだ。
時折機嫌を損ねたときはちょっと距離を置く。
そんなうまい付き合いが出来ると良いのだが。