のろやま

身の回りの小さな発見と驚きを見つける旅に出かけたい

空の大地へ上がる

時のたつのも忘れ、シマリスたちと戯れて楽しい時を過ごしていたが

空を見上げると青空が広がり始めていた。

今日は、シマリスのところでのんびりしようかなと思っていたけれど、

気持ちの良い光に誘われて、御池岳とボタンブチの方に足を延ばしてみることにする。

単独での登山は気を付けなければならないといわれるが

この自由気ままな山歩きがお気に入り。

ただし、天気と装備はきちんと持って歩くように気を付けている。

ねえ、コマドリさん。

コマドリさんもそろそろ南の島へと帰る頃。

気を付けていってらっしゃい。

淡く色づき始めた木々を仰ぎながらの森歩きは本当に気持ちがよい。

あと1か月もすれば雪が降り始め、木々にも霧氷がつき景色は一変することだろう。

今年の冬はあの上に行けるかな。

雪の前には必ず事前に下見をしておくこと。

いろいろ教わったことをきちんと守るように心がけている。

昼時の御池岳山頂は込み合っているのでスルーしてボタンブチの方向に向かう。

御池岳山頂から南に少し下ると、そこにはテーブルランドと呼ばれる不思議な大地が広がっている。

いつ来ても不思議な大地だ。

山上にこんなに広い天空の大地が広がっているとは。

大地の端は一気に切れ落ち、険しい谷になっている。

遥か大昔、海の底にで合った大地がそのまま天につきあがってきた船のよう。

このまま大地から切り離されて天に浮かんだら、天空の城ラピュタだななどと思ってしまう。

切り立った崖には、天狗の鼻、ボタンブチと呼び目印にもなっている。

大地では、それでなくとも、方向を誤りやすい。

なだらかで起伏が少なく地形的な目印が少ない。

一回りして、なるべく頭に入れておこう。

そう思い、テーブルランドの外周を一周歩いてみることにした。