中央構造線が走る断層の谷を目指し
ひんやりと、朝日が差し込む九十九折の坂を楽しむ。
ゼロ磁場と呼ばれる分坑峠を通り過ぎ断層の道を南へと下っていく。
地蔵峠を越えて南下していきたかったのだけれども、
通行止めになっていて、途中までしか行けそうにない。
今まで足を向けていなかった南アルプス界隈の土地勘も得たいので
地図とにらめっこしながら散策を楽しむ。
■北川露頭
丁度この写真の中心を中央構造線が走っているという。
左側が太平洋側で外帯(Outer Zone)といい
右側が日本海側で内帯(Inner Zone)になっているという。
降りて崖を確認すると、
おお!
なんと色が違う。
すごい。
ここから九州まで延々とこの大地のずれ目が続くという。
左側の赤色の側が内帯側で、高温のマグマが地下でゆっくり固まった花崗岩
緑や黒色の多い右側が外帯側で、比較的低温だけれども、地下深いところで、高い圧力を受けて、薄い板を重ねたような構造に変化した結晶片岩とのこと。
また、ここに露出している岩石は、断層運動で破砕しており、元の岩石とは見かけ・成分ともに変わっているという。
なんと、不思議で膨大なエネルギーなんだろう。
ここは山と山の谷間だよな。
中央構造線上は谷が出来川が流れまっすぐに南へと続く不思議な光景が広がっていた。
そして、ずれに伴ってできたであろう、わずかな谷間の平地には人が
身を寄せ合って生きている匂いがした。
道端の青空市場で、みずみずしい大根を頂いた。
帰って漬物か、煮物にするか。
楽しみを一つ持ち帰る。
前方に鬼面山と呼ばれる切り立った山が見え、
地蔵峠が近くなるが、通行止めとなっている。
思ったよりも近いことが分かった、またこよう。
秋のツーリングもいいものだ。